2023年8月30日 #183「勝手に慰霊旅」

 今週は月の5週目。「橙花が考えていること」を書きます。

 私は霊感がないと自覚しています。周りの方々はいろんな評価をくださいますが、それは周りの方々の判断であって、自分が自分をどう思っているかは別だと思います。その「霊感を持っていない私」が慰霊の旅をする話を書いてみます。

 2022年、杉並区で評判の占いの先生に言われました。

「あなたは日本各地で慰霊をしてください。5分でいいから立ち寄って『来たよ。あなたの魂を鎮めるために』と伝えて」

 私は単純な性格です。先生の占いが当たる当たらないとは別に、慰霊の旅をやってみようと思いました。なんか素敵ですもの。結果も評価も生まれないでしょうが、「これは良いな」と思う提案があれば、それはやってみよう!とすぐに思いました。

 それから2日後、まず靖国神社に行ってみました。いろいろ言われている場所ですが、行ったことがないのでは何も語れません。
 実際に行ってみると、靖国神社は「ものすごい念=意思」がある場所だと感じました。平日なのに軍服姿の人が歩いていたりします。その「念」が亡くなった方のものなのか、生きている人のものなのか分かりませんが、圧力を感じました。

 熱海の土砂災害の場所にも行ってみました。2年前の2021年7月のことです。その日、私は熱海の辺りに行く予定だったのでした。当日は電車のストップで旅がキャンセルになってしまい、残念だな〜くらいにしか感じていませんでした。それが、あんな酷いことになっているとは。
 実際に行ってみると、悲しい、寂しい感じがしました。あの日の暴風雨とは正反対に青々と美しい海と山の目の前で「ここに来たよ。あなたの魂を鎮めるために」と言ってみました。

 熊本にも行ってみました。熊本地震があったのは2016年4月、たった7年前です。市内をのんびり観光するような滞在でしたが「恐怖心」を感じました。ピリピリした緊張感をどうしても感じてしまうのに理由が見つかりませんでした。ちょっぴり寄付をして帰って来ました。

 神戸。1995年 1月17日 。あの朝 観た映像と音。テレビの前から立ち上げれませんでした。「こんなことが、この日本で起こるのか?これは本当のことなのか?」そう感じたのを今でも鮮明に覚えています。
 神戸の慰霊モニュメントを何ヶ所か回ってみました。東遊園地では「ドンと胸を突かれるような叫び」のようなものを感じました。滞在している間 見えない誰かに声をかけられたり、特別な写真が撮れたり、不思議な体験をしました。神戸は私にとってミステリアスな場所になりました。

 そしてこの2023年8月、生まれて初めて広島に行きました。子どもの頃から「8月6日には黙祷をすること」と教えられていて、一度は行かなくてはいけない場所だと思っていました。
 広島平和公園や原爆ドームに行き、見るべきものを見、行くべきところに行きました。そこで感じたことは(不明を恥じるところかもしれませんが)「ここはもう清められている」ということでした。まだまだ後遺症で苦しんでおられる方々もいらっしゃるでしょうが、場所としては洗練された整備がなされ、もうそこには苦しみも悲しみもなく終わっている。残っているのは「生きている人が同じ過ちを繰り返さないように、この惨劇を忘れないように必死になっている気持ち」でした。広島はすでに未来志向になっているんだなと思いました。その意味では、広島は、日本はとても難しいところまで来てしまったと思います。今後、この過去が風化されないように、忘れられないように、やはり発信し続けることが重要なのだなと思いました。私の慰霊や鎮魂は必要ないでしょう。

 これから長崎にも行ってみたいと思っています。また、東日本大震災で被害にあった場所にも行かなくてはいけないし、北海道の奥尻島にも行ってみたいと思っています。

 先日、気軽に行ける慰霊場所はないかと調べてみたら(この辺は私の慰霊がいかに気軽なものか、お分かりいただけると思います)日本は災害の国なので、どこに行っても慰霊碑が建っているとネットで知ってビックリしました。日本はどこででも惨事が起こっている島国ということです。
 どこまでできるか分かりませんが、行けるところには行きたいと思います。誰も待っていないけれど、勝手にやってみようと思っています(笑)。
ところで、地球の歩き方「慰霊と鎮魂の旅〜日本版〜」なんてあったら買うな〜。

では、また来週!

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