2022年11月30日 #144「本心は終了5分前に語られる」

こんにちは。お元気ですか?
今週は月の第5週目。橙花が考えていることをなんとなく書いてみます。

先日、3年ぶりに従姉妹(いとこ)に会いました。コロナウイルスの騒動があったせいで、なかなか会えなかったのです。彼女は私の親族の中では飛び抜けて立派になった人で、有名大学で重要なポジションを得ています。私と会っていなかった3年のうちにその大出世をしていたので、私も大喜びで話を聞いていました。「沙和ちゃん(仮名)カッコいい!名刺ちょうだい!笑」

ちょっと話がズレますが個人鑑定の場合、話のモチーフによってはクライアントが本心を語ってくれるのにものすごく時間がかかる場合があります。特に不倫にまつわる話はとても話しにくいようで、90分のセッション中 残り5分あたりのタイミングで「実は内緒の彼がいて・・・・・・」と本当のところを話してくださることがあります。

一旦その話をしてしまうと ご本人もホッとされたというか、急に肩の力が抜けたように見えます。そういう方はとても多いです。ご本人としてはすごく悪いことをやっていると感じていて、とても話づらいトピックなんですね。しかし、その部分こそが話したいこと、打ち明けたい 楽になりたい部分なんですね。

(私としては不倫なんて全然悪いと思っていません。パートナーに対する背信行為ではありますが、第三者がとやかく言う問題ではないと思っています。どんどんお話くださいね。むしろ応援することも多いですよ。)

さて私の従姉妹ですが。楽しい話をして、面白い話をして、そろそろサヨナラの時間かなと言うところで彼女が語り始めました。「他の先生方と違って自分には王道と言われている学歴がない。論文発表などの実績がない。いつ首を切られるか分からない吹けば飛ぶような存在だ。自分はもう終わりなのではないか。あと2年くらいかな。」

そんなことをテーブルのコーヒーカップを見つめながら淡々と語る彼女を見ていると、自分で自分を人種差別しているような気がしました。彼女の話を聞きながら私が考えていたことは、いろんなレベルで悩みがあるんだな。悩みというのはどの階層にも存在するんだな。3年前の彼女であったなら、こんなに自分を卑下することなく胸を張って生きていたのにな。結果を出したことによって自分自身を痛めつけることがあるんだな。ぼんやりと彼女の苦しみを共有していました。

いつも生徒さんたちや、セミナーの参加者の方々にお話しすることですが、今の彼女の状態を100歳で亡くなる時の未来の彼女はどう思い出すのでしょう?自分の人生を振り返った時に 果たしてどっちの気持ちになるのでしょうか?

①「私は経歴が不足していた。出来そこないで不十分、いつも恥ずかしかったな。今思い出しても苦しい。」
②「何をあんなに悩んでいたんだろう。もっと楽しめば良かった。あの時は栄誉という意味で人生のピークだったのに。」

近しいからこそ、私は彼女に手を差し伸べることができません。所詮、私はかなり年下の妹のような存在です。彼女の価値観を脅かすことはできないのです。ですから彼女のこれからの人生を そばで笑って見守っていきたいと思っています。これだけは伝えながら。

私は沙和ちゃんが好きだよ。だって一緒にいると楽しいもん。

ではまた来週!

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